6月15日㈰は、父の日です。
私には、もう父が亡くなっていません。父との思いでもほとんどなく、いつも機嫌が悪くお酒を飲んでいたり、母とよく夫婦喧嘩をしている姿です。父と一緒に暮らしていた時は、父が苦手でした。親子らしい会話はできず、反抗するとすぐ口より先に手が出るからでした。私が中学生の時に両親が離婚して、父は、すぐに再婚しました。
私が社会人になる時に一度だけ食事を二人でしました。ほとんど会話らしい会話がなかったですが、美味しいものを食べさせてくれたことと、私にスーツとバック、時計をプレゼントしてくれました。別れ際には、「がんばれよ」と言ってくれました。
それから、数年後父が病に倒れ、病院に入院することになりました。父が母に子ども達に会いたいと言ってきた時、母が拒否しました。父は、すごく怒って会いたいと言ったそうです。たぶんもう長くないと自分でわかっていたのだと思います。
病院のお見舞いに行った時、看護師さんから「どういうご関係ですか?」と聞かれたときは悲しかったです。父には新しい家族ができていて子ども達もいたから誰だと思ってもおかしくないです。
父に数年ぶりに会って、私は泣いてしまいました。会った時に昔の父の面影がなくなっていたのもあり、父も泣いていたのもあったのかもしれません。父も何を話していいのかわからないようでした。兄弟が結婚したことを知り、「結婚式に行きたかった」と話していました。日曜日だったらいつでもお見舞いに来てくれたらいいと話して別れました。
それから、1か月あまりで父は亡くなりました。こんなに泣いたことがないくらい泣きました。私は、父が好きだったのだと改めて思いました。父は、本当はいろいろ私たちに話したいと思っていたのだと思います。実際に会うとうまく伝えることができなかったのだと思います。父は、昔から口下手で自分の伝えたいことをうまく伝えられないからお酒に逃げていたのだと今だからわかるからです。父に対して、許すことができたと思いました。
父の良いところは、人の悪口を言わないことでした。私が一緒に暮らしていた時に一度も聞いたことがなかったです。それは、人としてとても尊敬するところです。
父にはもう直接会う事はできないですが私にも子どもができ、父に孫ができたことを喜んでくれているように思います。父にちゃんとありがとうと伝えたことはなかったですが、今は、父に「お父さん、ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることができます。